まとめ~食肉販売業の許可取得に必要な施設基準は?~
- 共通基準(飲食店が最低備える基準)を備えておく
- 食肉販売業に追加で設けられた特化基準も備えておく
- 共通基準と特化基準を揃えていれば許可の取得は可能
- 法改正前の基準と比べて手洗い設備などが厳しくなった
※ちなみに法改正後の食肉販売業でできることをまとめた記事もありますのでそちらも確認してみてください
はじめに
食肉販売業の許可をこれから取得しようと検討している方はいらっしゃいませんか?
今回は食品衛生法改正後の食肉販売業の許可取得に必要な施設について簡単にまとめ解説しました。
もしこれから肉屋や焼き肉屋でテイクアウトの焼肉セットの販売などの開業を検討されている方は本記事であらかじめ必要な設備について確認しておきましょう。
※厚生労働省の食品衛生法施行規則の施設基準の条文を用いてわかりやすく紹介しています。
本記事を読むメリットのある方
- 焼き肉店で焼肉セットの販売を検討している方
- 肉屋の開業を始める予定の方
- 肉屋でとんかつ半製品やメンチカツの半製品を販売する予定の方
- 食品衛生法改正後の食肉販売業に必要な設備を確認したい方
解説
食肉販売業に限らず全許可業種にいえることですが許可の取得には、全業種に必要な『共通基準』と各業種ごとに特別に必要となる『特化基準』の両方を満たさなければ許可は下りません。
なので共通基準と特化基準についてそれぞれ紹介していきます。
共通基準
まず食肉販売業に限らず全ての許可業種においてはこの共通基準をクリアしている必要があります。
この共通基準は全許可業種が満たしていないといけない基準になります。
ちなみに飲食店営業では基本的にこの共通基準を満たせば許可が下りるようになっています。
なので、『最低でも飲食店営業許可を下ろせるレベルの基準は満たさなければならない』という意味になります。
これはどんなに大きな加工工場でも田舎のおばあちゃんが経営する飲食店でも共通して必要となります。
ここの共通基準については本サイトの別記事でもまとめてわかりやすく解説しているのでそちらを参考にしてみてください。→共通施設基準のまとめ記事
簡単に一番基準として引っかかりやすいポイントをいくつか簡単に紹介しておきます
しかし、今回紹介しているものは厚生労働省の施設基準を元に解説しており、基本全国一律で共通ですが、自治体によってはより厳しい設備を設けている可能性があるので最終的には管轄する保健所に確認してください。
注意すべきポイント
- 自宅での営業は不可(自宅でする場合はしっかり壁などで区画する必要がある)
- 手洗い設備とシンクがそれぞれ必要
- 手洗い設備は自動式やレバー式の蛇口栓が必要
- 従業員が利用するトイレとトイレ専用の手洗い設備が必要
- 床や壁は水が染みこまない材質(不浸透性材質)にする
- 更衣室や行為できる場所の確保
- 包装する専用の場所の確保(製造と同じ調理台は使用不可)
- 掃除道具と掃除のマニュアルの作成
特に今回の法改正で注目されているのは手洗い設備が厳しくなった点です。
従来のハンドル式の蛇口栓では手を洗った後に蛇口をひねることで再び手が汚れるとの考えから
レバー式や自動式など手以外で栓を止められるものが必要となりました。
シンクの大きさは自治体によってはサイズ規定も設けてあるので確認しておきましょう!
※手洗い設備を自分でレバー式や自動式に改造する場合
今回の法改正の基準に対応するために蛇口栓をなるべく低コストで改修するためにおすすめな蛇口栓を紹介します。
ホームセンター等で見つからない場合は参考にしてみてください。
KUKUNA センサー式 タッチレス水栓 取付工事不要 センサー水栓 自動センサー蛇口 後付け キッチン 洗面台 水道 節水 清潔 感染対策 アピデ ククナキッチン KKN-TW001 蛇口ハンドル「NaturalStyle(ナチュラルスタイル)」陶器レバー【三栄水栓 蛇口 交換 ハンドル DIY 取っ手 レバー 取り換え 水栓部分 ひねる部分 SANEI 水道 お風呂 お湯 付け替え 付替え 取替え 取り替え 混合栓 TOTO INAX KVK KAKUDAI】特化基準(漬物製造業専用の基準)
先ほど紹介した施設基準の他に全32業種にはそれぞれ個別の基準が追加で設けられています。
魚を捌くための専用の基準があればチーズの製造に専用の基準があったりと様々です。
今回は食肉販売業の施設基準の紹介なので食肉販売業専用の特化基準を紹介します。
ここで紹介する基準と上で紹介した共通基準の両方満たして初めて許可は取得できる事となります。
具体的な必要な設備は下にまとめました。
食肉販売業の特化基準
- 肉のカットやスライスなど加工処理を行う専用の部屋を設ける
- 肉を捌く際に出てくる内臓と肉の部分を分割するために必要な設備が必要(肉と内臓それぞれの容器を備えるなど)
- 肉を保存するための専用の冷蔵庫と冷凍庫を備える
- 処理後の廃棄物を入れるゴミ箱は蓋付きの水が染みこまない材質で消毒が簡単にできるものを備える
ここで紹介した基準を完全に満たせば許可の取得はできます。
【令第三十五条第三号に規定する食肉販売業】
イ 処理室を有すること。
ロ 処理室に解体された鳥獣の肉、内臓等を分割するために必要な設備を有すること。
ハ 製品が冷蔵保存を要する場合にあつては製品が摂氏十度以下と、冷凍保存を要する場合にあつては製品が摂氏マイナス十五度以下となるよう管理することのできる機能を備える冷蔵又は冷凍設備を処理量に応じた規模で有すること。
ニ 不可食部分を入れるための容器及び廃棄に使用するための容器は、不浸透性材料で作られ、処理量に応じた容量を有し、消毒が容易であり、汚液及び汚臭が漏れない構造であり、蓋を備えていること。
引用:厚生労働省
法改正後の食肉販売業とは?
法改正後の食肉販売業の許可ではとんかつやメンチカツの半製品の製造販売も可能とのことでした。
なので今までの食肉販売業の許可だけではできないことが、できる用になるので法改正後の食肉販売業の許可取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
さいごに
いかがでしたか?
今回は法改正後の食肉販売業の施設基準について紹介しました。
自治体によっては今までより厳しくなったり緩くなったりとなどさまざまかと思います。
しかし法改正で今までできなかった事もできるようになっているので、改めて食肉販売業の許可を取得し直すのも良いかもしれません。
また今回紹介した資料は厚生労働省で施行されている施設基準で、基本的に全国一律での運用を求められているのですが。
都道府県によってはより厳しく基準を定めていたりする可能性があるので、最終的には管轄する保健所に確認をしましょう。
根拠資料
山口県(厚生労働省で定める施設基準):046583_f2.pdf (yamaguchi.lg.jp)
厚生労働省(資料2 施設基準に係る厚生労働省令案の解説):PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)
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