【まとめ】漬物製造業の許可に必要な施設基準とは?食品衛生法改正についてわかりやすく解説

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まとめ~漬物製造業の許可取得に必要な施設基準は?~

  • 自宅での製造は不可(自宅とは別の製造専用の部屋が必要)
  • 飲食店にも適用される共通基準と漬物製造業専用の特化基準を追加で満たす必要がある。
  • これまで漬物の製造に許可がいらなかった自治体では製造できなくなる人が多数出てくる。

今回の法改正で新たに許可対象の業種となったもののまとめを確認したい方は別記事を参考にしてください

食品衛生法改正で新たに許可業種となったものまとめ

はじめに

食品衛生法の改正で漬物製造業の許可を取得する必要になった方や

新たに梅干しやキムチを製造販売するのに漬物製造業の許可を取得する予定の方はいませんか?

今回は漬物製造業の許可の取得に必要な設備にはどのようなものがあるのかを紹介します。

令和3年6月1日から食品衛生法が改正・施行され許可業種や施設基準の大きな見直しが行われ、漬物製造業が新設されました。

漬物の製造はこれまで自治体によっては許可無く営業できていたところも多かったのではないでしょうか?

しかし今回の食品衛生法の改正でこれまで許可不要で漬物の製造を行っている人は全て令和6年5月31日までに許可を取得しなければならなくなりました。

今回はそういった方々に向けて漬物製造業の許可を取得するにはどのような設備があれば取得できるのかについて

厚生労働省の食品衛生法施行規則の施設基準の条文を用いてわかりやすく紹介しています。

もしこれから漬物製造業の許可取得を検討している方は是非この機会に間違いなく許可取得に向けて進めていきましょう!

本記事を読むメリットのある方

  • これまで許可無く漬物の製造を行っていた方
  • 梅干し、浅漬け、キムチなどの製造販売を検討している方
  • 新たに漬物製造業の許可取得を検討している方
  • 食品衛生法改正後の漬物製造業に必要な設備を確認したい方

解説

漬物製造業に限らず許可業種にいえることですが許可の取得には全業種に必要な『共通基準』と各業種ごとに特別に必要となる『特化基準』の両方を満たさなければ許可は下りません。

なので共通基準と特化基準についてそれぞれ紹介していきます。

共通基準

まず漬物製造業に限らず全ての許可業種においてはこの共通基準をクリアしている必要があります。

この共通基準は全許可業種が満たしていないといけない基準になります。

ちなみに飲食店営業では基本的にこの共通基準を満たせば許可が下りるようになっています。

なので、『最低でも飲食店営業許可を下ろせるレベルの基準は満たしてね』という意味になります。

これはどんなに大きな加工工場でも田舎のおばあちゃんが経営する飲食店でも共通して必要となります。

ここの共通基準については本サイトの別記事でもまとめてわかりやすく解説しているのでそちらを参考にしてみてください。→共通施設基準のまとめ記事

一応簡単に一番基準として引っかかりやすいポイントをいくつか簡単に紹介しておきます

しかし、今回紹介しているものは厚生労働省の施設基準を元に解説しており、基本全国一律で共通ですが、自治体によってはより厳しい設備を設けている可能性があるので最終的には保健所に確認してください。

注意すべきポイント

  • 自宅での営業は不可(自宅でする場合はしっかり壁などで区画する必要がある)
  • 手洗い設備とシンクがそれぞれ必要
  • 手洗い設備は自動式やレバー式の蛇口栓が必要
  • 従業員が利用するトイレとトイレ専用の手洗い設備が必要
  • 床や壁は水が染みこまない材質(不浸透性材質)にする
  • 更衣室や行為できる場所の確保
  • 包装する専用の場所の確保(製造と同じ調理台は使用不可)
  • 掃除道具と掃除のマニュアルの作成

特に今回の法改正で注目されているのは手洗い設備が厳しくなった点です。

従来のハンドル式の蛇口栓では手を洗った後に蛇口をひねることで再び手が汚れるとの考えから

レバー式や自動式など手以外で栓を止められるものが必要となりました。

シンクの大きさは自治体によってはサイズ規定も設けてあるので確認しておきましょう!

※手洗い設備を自分でレバー式や自動式に改造する場合

今回の法改正の基準に対応するために蛇口栓をなるべく低コストで改修するためにおすすめな蛇口栓を紹介します。

ホームセンター等で見つからない場合は参考にしてみてください。

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特化基準(漬物製造業専用の基準)

先ほど紹介した施設基準の他に全32業種にはそれぞれ個別の基準が追加で設けられています

魚専用の基準があればチーズを製造に専用の基準があったりと様々です。

今回は漬物製造業の施設基準の紹介なので漬物製造業専用の特化基準を紹介します。

ここで紹介する基準と上で紹介した共通基準の両方満たして初めて施設許可は取得できる事となります。

具体的な必要な設備は下にまとめました。

漬物製造業の特化基準

  • 原料専用の保管庫(冷蔵庫など)を備える
  • 製品専用の保管庫(冷蔵庫など)を備える
  • 商品の加工・製造を行う場所を確保
  • 製品を包装する場所の確保
  • 原材料の洗浄設備、漬込む設備、殺菌設備が必要(シンク、原料の殺菌機)
  • 冷蔵庫が必要(浅漬けなどを作る場合)

ここで紹介した基準を完全に満たせば許可の取得はできます。

しかし漬物は基本的に加熱工程がほとんど無い商品ばかりなので、一度食中毒菌などに汚染されると事故に繋がりやすいです。

一般細菌や大腸菌が製品の中で増殖しないように、クリーンな製造室で製造することを強くおすすめします!

二十七 令第三十五条第二十九号の漬物製造業
イ 原材料の保管及び前処理並びに製品の製造、包装及び保管をする室又は場所を有すること。なお、室を場所とする場合にあつては、作業区分に応じて区画されていること。
ロ 原材料の前処理及び製品の製造をする室又は場所は、必要に応じて洗浄、漬け込み、殺菌等をする設備を有すること。
ハ 浅漬けを製造する場合にあつては、製品が摂氏十度以下となるよう管理することができる機能を備える冷蔵設備を有すること。

引用:厚生労働省

法改正後の漬物製造業とは?

法改正で新設された漬物製造業の許可では高菜の油炒め等の販売も可能とのことでした。

なので今まで許可が必要だった自治体によっては、できる事が増える方も多いのでは無いでしょうか。

厚生労働省資料(各許可業種について)

さいごに

いかがでしたか?

今回は法改正後に新設される漬物製造業の施設基準について紹介しました。

人によってはできる事が増えたり、許可を取得しなければならなくなったなどさまざまかと思います。

今回紹介した資料は厚生労働省で施行されている施設基準で、基本的に全国一律での運用を求められているのですが。

都道府県によってはより厳しく基準を定めていたりする可能性があるので、最終的には管轄する保健所に確認をしましょう。

根拠資料

山口県(厚生労働省で定める施設基準):046583_f2.pdf (yamaguchi.lg.jp)

厚生労働省(資料2 施設基準に係る厚生労働省令案の解説):PowerPoint プレゼンテーション (mhlw.go.jp)

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