ポイント
- 原材料に使用されている添加物が最終製品にその添加物の効果をもたらしていない場合は表示しなくて良い
- 五感に関わる添加物はキャリーオーバーであっても表示しなければならない
- 特定原材料がキャリーオーバーとして組み込まれても、表示しなければならない
はじめに
食品の添加物表示のうち一部表示を省くことができるルールがあることをご存じですか?
そのルールのキーワードとなるのが『キャリーオーバー』です。
原料に使用されている添加物を製造した食品の表示にも全て表示しなければならないのか分からない方も多いかと思うので
今回はその添加物表示の特例ルール『キャリーオーバー』について解説します!!!
本記事をオススメしたい方
- 添加物表示について学びたい方
- キャリーオーバーの意味を知りたい方
- 表示されていない添加物の存在について知りたい方
解説
キャリーオーバーとは?
そもそもキャリーオーバーについて知らない方も多いと思うので解説しておきます。
キャリーオーバーとは消費者庁では以下のように示されています。
キャリーオーバー
食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過程において使用されないものであって、当該食品中には当該添加物が効果を発揮する事ができる量より少ない量しか含まれていないものをいう。
消費者庁より
つまり具体的に解説すると、、、
メンチカツを製造する際に使用した醤油に保存料が含まれていたとしても、その醤油に含まれている保存料の量がメンチカツの保存性を高めるための効力を発揮しない量しか含まれない添加物などのことをキャリーオーバーといいます。
純粋に考えても、単に醤油で味付けしたメンチカツが、醤油にもともと添加されていた保存料によって、その保存性が高まるとは考えにくいと思います。
そういったものを総称して『キャリーオーバー』という言葉でまとめられています。
キャリーオーバーとなる場合の表示は省略できる
上記で示したような添加物が製造した商品に入っている場合は、表示は必ずしも必要ではなくなります。
ただし、その場合は必ず表示しなくて良いと判断した科学的根拠を備えている必要があります。(原材料に使用されている添加物の量と最終製品の総重量との比較など)
注意点
実際に表示しなくて良いと判断したキャリーオーバーも以下の点に該当する場合は表示が必要になるのでこちらも必ず確認してください。
- 五感に関わる添加物の使用
- 特定原材料7品目に由来する添加物の使用
- キャリーオーバーに該当するか分からない場合
五感に関わる添加物の使用の場合とは、『味』や『色』、『香り』などに影響を与える添加物などが該当してきます。
具体的には「甘味料」や「調味料」などは微量であっても、最終製品の味に影響を及ぼすため省略できません。
「香料」や「着色料」も「甘味料」などと同様に最終製品に影響を及ぼすため微量であっても表示が必要です。
また使用している添加物がキャリーオーバーに該当するか判断出来ない場合も表示が必要となります。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した食品添加物におけるキャリーオーバーの意味を知ったら、知らず知らずのうちに表示されていない添加物が入っていたりする可能性にも気がついた方も多いのではないでしょうか?
また事業者の方の場合は、自身が製造している食品の表示のうち、原材料に表示されていた添加物を全て記載しなくてもいい場合があると知ったのではないでしょうか?
是非今回の解説で今後の食品製造などに役立てていただければ幸いです。
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