ポイントまとめ
- 密封包装食品製造業の許可取得が必須
- 成分規格と製造基準をクリアする必要がある
- 加圧加熱殺菌機や自記温度計付き中心温度計可能が必要
はじめに
レトルトパウチ食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)の製造販売を検討している方はいませんか?
今回はレトルトパウチ食品の製造をする上で守らなければならない基準や許可について解説していきたいと思います。
本記事をオススメしたい方
- レトルトパウチ食品の製造販売をしたい方
- 密封包装食品製造業の許可について知りたい方
- 容器包装詰加圧加熱殺菌食品の製造基準等を知りたい方
解説
レトルトパウチ食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)を製造販売するのに必要な手続きや基準
市販でよくみるレトルトパウチ食品の正式名称は、
容器包装詰加圧加熱殺菌食品と言い、製造販売をする場合には、法律で決められたルールを守る必要があります。
レトルト食品は製造を一歩間違えると重篤且つ大規模な食中毒を発生させる恐れがあるため法律でも厳しく基準を決められています。
そのクリアすべき法律は以下の通りです
容器包装詰加圧加熱殺菌食品の法律上の基準
- 密封包装食品製造業の許可取得
- 製造工程の確認
- 製造工程が容器包装詰加圧加熱殺菌食品の製造基準をクリアしていることを確認
- 製造した製品が容器包装詰加圧加熱殺菌食品の成分規格をクリアさせる
以上4種類が主なルールとなります。
この4種類のうち『製造基準』と『成分規格』のハードルが高いのでそちらを解説していきます。
レトルト食品の『製造基準』
まず『製造基準』とは、特定の食品に関しては食中毒事故を防ぐ目的で、法律で決められた製造方法を守らなければなりません。
そしてその特定の食品の対象にレトルトパウチ食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)も含まれています。
そのため『製造基準』を満たす必要があります。
それでは具体例にレトルト食品の『製造基準』はどんなものかというと以下のとおりになります。
レトルト食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)の製造基準
- 原材料は鮮度や品質が良好なものを使用すること
- 原材料は十分に洗浄してから使用すること
- 製造に保存料又は殺菌料として使用される化学合成品を使用してはならない(次亜塩素酸水及び次亜塩素酸ナトリウムは除く)
- 瓶や缶以外のレトルトパウチ食品の封は、熱融解若しくは巻締めで行うこと
- 製造の際に行う加圧加熱殺菌は、自記温度計を付けた殺菌機で行う事
- 自記温度計の記録は3年間保管する
- 加圧加熱殺菌は120度4分の殺菌効果以上で行う
- 加圧加熱殺菌後の冷却に水を使用する場合は、流水(食品製造用水に限る)で行うか、または遊離残留塩素を1.0ppm以上含む水で絶えず完遂しながら行うこと
- 製造に使用する器具は、十分洗浄殺菌したものを使用すること
以上が製造する上で守るべき基準です。
この中で最もハードルが高いのは、自記温度計を付けた加圧加熱殺菌機械を整備することと、製品の中心を120℃4分以上加熱でき尚且つ中心温度を測れる機械を準備できることです。
この機械がないとそもそも製造ができないので、ある程度の設備投資が必要になってきます。
逆にこの機械を備えることができればレトルト食品の製造販売への道が大きく開ける事になります。
レトルト食品の『成分規格』
次に成分規格ですが、成分規格とは先ほどの『製造基準』と同様、食中毒事故を防ぐために完成した製品に対して、
様々な項目の基準を設けてそれを逸脱したものを販売してはいけないとルールを決めたものです。
そしてこのレトルトパウチ食品の成分規格は以下のように決められています。
レトルトパウチ食品の成分規格
- 微生物 陰性(0/g)
以上1点のみですが、この基準が他の食品と比べてもかなり厳しいものとなっています。
たとえば冷凍食品の微生物関係の成分規格は、最近は1gあたり100,000以下となっておりごく微量であれば許容されている
しかしレトルト食品の場合は微生物が一切含まれてはならない事とされていて、いかに基準が厳しいかが分かるかと思います。
もしこの基準を逸脱した商品が市場に回っていると行政の抜き打ち検査で発覚した場合は、回収命令などを受ける事となります。
まとめ
以上がレトルトパウチ食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)を製造販売する上で守らなければならない法律上の基準でした。
この基準を守れる事業者のみが製造することができるため、製造を本気で考えている方は、ある程度の設備投資が必要になることを覚悟する必要があります。
ただこれらは、国民の食中毒事故を未然に防ぐために設けられた基準なので、製造する方は事故を起こさないためには必要なものだという理解をして準備をして行けたらと思います。
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参考資料
厚生労働省HP:食品別の規格基準について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
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